大文字送り火2012 ~左大文字~
大文字の送り火、今年は左大文字に行って来ました。遠くからは何度も見ているのですが、近くに行くのは初めてです。
左大文字は衣笠街道町にある法音寺という寺が世話をしています。ここだけの特徴として、松明の行列が行われると聞いていたので、点火前に訪れてみました。
松明行列の起源は昭和37年と意外と新しく、当時の町内会長の発案だったそうです。送り火を灯す裏方にも晴れの舞台を提供したいという理由だったそうで、今ではそれがすっかり定着しているのですね。
法音寺に着いたのは午後6時45分頃、もう遅いかなと思っていたのですが、まだ門前に人が集まりだした程度でした。でも、時間と共に人が増えて行き、7時頃には街道沿いにびっしりと人波で埋まるという感じになっていましたね。どうやら団体ツアーが何組か来ている様子でしたから、あっと言う間に増えたのかもしれません。
松明が動き始めたのは午後7時10分頃で、まず街道沿いの門火に点火するための火が出ていきます。本格的に松明が動き始めたのは7時20分頃でした。山門から次々に松明を持った保存会の方が現れ、山へと向かわれます。そして中程で大松明が出て来るのですが、その様子は動画に撮ってきたのでご覧下さい。
結構大きなものでしょう。これを山の上まで担いで上がるのですから、相当に大変なんだろうなと思います。
松明の行列は街道を北上し、西大路通を横断して金閣寺の方向へと進んで行きました。それ以上は付いていかなかったのですが、後ろから見ていても沢山の松明が動いていく様子は、なかなか綺麗でしたよ。
その後は衣笠カトリック教会の前まで移動し、点火を待つ事にしました。暫くすると、松明の行列が山に登って行くのが望見されました。火の列が段々と山に登って行く様子は、幻想的に感じましたね。その様子も動画に撮ってきたのでご覧下さい。
少しピントが合っていないのですが、雰囲気は判ってもらえたでしょうか。この火はやがて一カ所に集まり、一つの炎として燃えていました。おそらくは、松明の火は一旦消されたのでしょうね。
左大文字の点火は8時15分なのですが、山上の松明が動き出したのは8時10分頃でした。松明を持った人が、それぞれの持ち場に動き出したのですね。その様子は、まるで大の字を炎で書いていくかの様に見えます。この様子も動画でご覧下さい。
この動きは筆順どおりと聞いていましたが、そうでもないようですね。まあ、中心から動いていくのだから、当然なのかな。そんな感じに見えるというのが正解なのでしょう。
各自が持ち場に着き、8時15分になると、一斉に薪に点火されます。その以前に、暗いながらも大の字が浮かんでいるのが、左大文字の特徴でしょうね。見ていると、暗い大の字が俄に明るくなるといった印象でした。
衣笠カトリック教会の前に着いたのは7時30分頃でしたが、その頃にはまだほどんど人は来ていませんでした。ここもやはり時間と共に人が増え始め、点火前には歩道上は身動きが出来ない程人で埋まり、車道沿いにも人垣が出来る程になっていました。点火近くになると急に人が増えるのは、どこのポイントでも共通していますね。場所としては左大文字にごく近く、障害物も少なくてなかなか良いロケーションでしたよ。
左大文字をじっくり見たのは初めてでしたが、松明の行列に始まる独自の点火方法が面白かったですね。先祖の霊を送るという宗教行事であると共に、京都の夏を飾る風物詩でもある送り火を、十分に堪能させて頂きました。
最近のコメント