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2007年11月 5日 (月)

京都・洛東 東福寺法堂特別公開

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東福寺の境内において、一際巨大な姿を見せている伽藍が法堂です。この法堂は御本尊を祀る仏殿も兼ねており、いわば東福寺の本堂にあたる建物なのですね。普段は非公開であり、年に一度涅槃会の時にだけ中に入る事が出来るのですが、この秋には古都文化財特別公開の一環として門が開かれています。

この御堂は比較的新しい建物で、1934年(昭和9年)に建立されたものです。東福寺の伽藍面と呼ばれる中でも中心的な建物だけに、ちょっと意外な感じもしますね。

東福寺は度重なる兵禍や火災によって何度も焼失するという歴史を繰り返しているのですが、前の法堂も1881年(明治14年)の火災で焼け落ちてしまったのでした。それから実に53年を経てようやく再建されたのが現在の建物なのですが、これに要した半世紀にも及ぶという長い時間が、当時の東福寺が置かれていた苦境を、そのまま物語っているかの様です。

この建物は、起工から完成までに19年を要しており、昭和期における木造建築としては最大のものとされます。19年も掛かったのはその巨大さ故の事もあったでしょうけど、資金繰りも難しかったのではないかと想像されますね。

天井を飾るのは堂本印象画伯の筆による「蒼龍」図で、その出来映えは画伯自身も満足の行くものだったそうです。画伯42歳の時の作品で、厄落としの意味もあったそうですね。残念ながら写真の撮影は禁止されていたので画像はありませんが、体長54m、胴回り6mという巨大な龍の絵は、迫力満点でしたよ。

高い天井に飾るからでしょうか、絵そのものは荒い筆使いで大胆に描かれており、決して精緻なものではありません。特に背景の一部を黒々と塗りつぶしているところなどは、かなり荒っぽいですね。その一方で、胴の鱗は実に丁寧に描き込まれており、そのギャップに驚かされます。日本画特有の省略も思い切って行われており、わずか10数日で完成したというのも頷けるというものです。しかし、その荒さが勢いとなっており、この龍の絵に生き生きとした迫力を与えているのですね。寺の天井を飾る龍の絵はいくつか見てきましたが、その中でも白眉の一つと言って良いでしょう。

御本尊は釈迦立像で、両脇に摩訶迦葉尊者と阿南尊者像、前に四天王像を安置しています。元は万寿寺の御本尊だったもので、法堂が再建された後に移設されたのだそうですね。この御本尊にどこか大陸的な雰囲気を感じるのは、私だけでしょうか?

そして、今回私が一番見たかったのが、大仏の手です。何の事かと言うと、かつて東福寺には高さ15mという大仏が祀られていたのです。これは、奈良の東大寺の大仏とほぼ同じ大きさですね。脇侍の観音菩薩、弥勒菩薩像もそれぞれ8mもあるという巨大なもので、新大仏寺と呼ばれていました。しかし、残念な事に明治14年の火災で御堂と共に焼失してしまったのです。と、ここまでは知識として知っていたのですが、それがどんなものだったかはちょっと想像が出来かねていました。ところが、そのうちの手の部分だけが焼け残っていて、この法堂に安置されていたのですね。

大仏の手は法堂の右の祭壇にあり、長さ2mあるという左手が立てかけられていました。思っていたよりも小さいという印象でしたが、比率を考えるとそんなものでしょうか。私にとってはおよそ幻でしかなかった大仏の一部が現存していた訳であり、これを見られただけでも今回拝観した値打ちがあったものと言えそうです。

ちなみに、この法堂にかかげられた扁額には「盧舎那殿」と書かれており、ここに大仏が安置されていた事を示しているのだそうです。

東福寺法堂の特別公開は平成19年11月11日(日)まで、拝観料は800円となっています。なお、三門も同時公開されており、こちらも料金は別に800円になっています。(でもこれって、2箇所共通で割り引きしてくれないものかしらん。2箇所で1600円はちょっと痛いです。)

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さて、東福寺と言えば紅葉の名所ですが、11月3日現在の様子は上の写真のとおりで、まだほんのりと色付き始めたばかりです。本格的な紅葉は、やはり月の半ばから下旬にかけての事になるでしょう。私もその頃に、もう一度訪れてみようと思ってます。


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