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2004年6月 7日 (月)

新選組!14

新選組!第22回「屋根の上の鴨」、サブタイトルどおり芹沢は屋根に
登ってしまいました。ほとんど狂気と言って良い、鬼気迫る演技でした
ね。さすがに、佐藤浩市です。

それにしても、このところの芹沢は常軌を逸していています。佐伯又三
郎をどう始末するのかと注目していたのですが、理由らしい理由もなく、
ただ気に入らないというだけで斬り捨ててしまいました。これでは、全く
の殺人鬼です。

佐伯の死については以前も触れましたが、
1.長州藩の間者であったが、裏切りが発覚して久坂玄瑞により始末
  された。
2.芹沢の命により、佐々木愛次郎の恋人を奪うべく佐々木を斬ったが
  その恋人に手を出したために芹沢の怒りに触れ、殺された。
3.芹沢の持っていたうにこうる(ユニコーン=一角獣、一角鯨)の根付
  けを盗んだ事が発覚し、斬り殺された。
などの説があります。
いずれにしても禄な死に方ではありませんが、このドラマの設定はこの
どれよりも酷いですね。それだけ芹沢の非道さを強調しているという事
でしょうか。

大和屋の焼き討ちについては、ドラマにあった様に、天誅組に献金をし
た事を聞き込んだ芹沢がこちらにも出せと迫り、これを断られた事に腹
を立て、蛮行に及んだというのが通説になっています。また、新選組始
末記では大砲を引き出し、土蔵に向けて撃ち込んだとなっていますが、
これは子母澤寛の創作で、ドラマの様に焼き討ちにしたという方が正し
い様ですね。

そして、焼き討ちに至った別の原因として、近藤達が仕切った相撲興行
に対する当てつけではないかという説もあります。相撲興行は8月7日に
祇園北林で行われ、続いて12日にも壬生で実施されて、大いに賑わい、
壬生浪士組に対する評判も大いに上がったと言います。これを快く思わ
ない芹沢が、わざと騒ぎを起こしたのではないかと言う説です。ドラマの
設定もほぼこれに沿っていましたね。実は、この説には幾ら何でも同意し
かねると思っていたのですが、芹沢の「武士のやる事ではない。」という
セリフを聞いて、なるほどこういう解釈の仕方もあるのかな、と考え直しま
した。だとしても、あまりにも大人気ないですけどね。

さらに穿った説としては、翌日に予定されていた大和行幸の詔に対する
芹沢流の祝砲だったのではないか、とする向きもあります。この根拠とし
ては、大和屋は生糸問屋だったのですが、幕府の開港政策により生糸
は国外へ流出し、国内では大変な高値と品不足を招いていました。こう
した中大和屋は海外取引により莫大な利益を上げており、京都市民、特
に西陣あたりから怨嗟の声が上がっていました。天誅組が大和屋に目を
つけたのはこうした背景があったからですが、芹沢はさらに一歩進めて大
和屋を焼き討ちにし、攘夷のためののろしにしたと言うのです。

当日、大和屋には西陣の職工達が押し寄せ、生糸を路上に放り出して火
を掛け、また家財道具をたたき壊したという記録もあります。そして、芹沢
は屋根の上からこの様子を愉快そうに眺めていたとあります。(西村兼文
新撰組始末記)少なくとも、大和屋が恨まれていた事は事実でしょうね。

この焼き討ちは、結果として芹沢の命取りになりました。ドラマでも土方が
「墓穴を堀りやがった」と言っていましたね。この暴挙に対して、所司代や
大名から会津藩に対して抗議が相次い次ぎ、遂に会津藩は芹沢排除を決
意するに至ったとされています。

一方で、この焼き討ちは会津藩にとって思わぬ助太刀ともなりました。会
津藩では、常時1千名の藩兵を京都に駐留させていたのですが、これは
交代制で、丁度この頃国元から交代要員が到着していました。国元へ帰
る兵は大和屋の焼き討ちの前日に出立していたのですが、この事件を口
実に京都へ呼び寄せたため、会津藩の兵力は一時的に倍の二千名とな
りました。この兵力が、8月18日の政変を成功させる原動力となります。
長州藩は、この事件に目を奪われ、会津藩の企みに気が付かなかった様
です。芹沢鴨は、思わぬ形で、歴史を動かしたとも言えそうですね。

来週は、この8月18日の政変が描かれます。ここでは、芹沢の最後の勇
姿が出てくるはずですが、佐藤浩市の演技が見物ですね。

新選組マイナー隊士の紹介は、今回も明日アップする事にします。

この項は、子母澤寛「新選組始末記」、西村兼文「新撰組始末記」(新人物
往来社編「新選組資料集」より)、別冊歴史読本「新選組の謎」、歴史群像
シリーズ「血誠 新選組」、木村幸比古「新選組と沖田総司」を参照していま
す。

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